第39話 誰が為に鐘は鳴る
ルフィは睨んでいた。
坂の下では海賊たちが次々と斬られ、倒れていく。
目に見えない速さで襲い掛かる彼らの元船長によって。
それを睨みつけるルフィも、少しずつ斬られていく。
彼は叫んだ。
「出て来い執事いィイイ!!!!」
その時、彼の左後ろで何かが跳ね返る音がした。
そして。
「うっ!!!」
キャプテン・クロの刃はルフィの腹部を切り裂く。
しかし、ただ単にやられているだけではない。
ルフィはクロが離れる瞬間、彼の服の端を掴んだ。
「ああああ!」
ズダアン!!!
そしてそのまま地面に思いっきり叩きつけた。
「見つけたぞ」
ルフィはにっと笑った。
クロも不適に笑いながらゆっくりと起き上がる。
「このやろうが・・・、黙って斬られてりゃいいものを・・・!」
そして、坂の下を見下ろして言った。
「みろ、貴様のおかげで中途半端に死にきれねェかわいい部下どもが苦しんでる」
坂の下ではクロに襲われた海賊たちのうめき声が響く。
「畜生ォ・・・」
「もうやめてくれ」
「痛ェよォ!!!!」
ルフィはその様子を黙って見ていた。
それに気づいたクロが言う。
「・・・何か言いたげだな」
「うん」
ルフィはこぶしを固めて言った。
「お前みたいな海賊(おとこ)には絶対におれはならねェ」
クロはメガネのズレを直しながらせせら笑う。
「ならないんじゃねェ。なれねェんだ、てめぇごときにはな・・・。」
そして再び両腕をだらんと下に下ろした。
「─── もっとも、ここで死んじまうんだが・・・」
そしてゆっくりと身体を左右に揺らし始める。
『杓死』の構えだ。
「させるかっ!!!」
ルフィはクロに前から飛びつくと、腕と脚をクロに絡めた。
「やってみろ、足技」
「もうやめてください!遺書なら書きますから、その子達に手を出さないで!!!」
一方林では、カヤの叫び声が響いていた。
ウソップ海賊団たちも善戦したが、今立っているのはピーマンのみ。残りの2人は地面に倒れこんでいた。
「だ、だめだ!そんなもん書いたらカヤさん殺されちゃうぞ!」
ピーマンがジャンゴに顔を踏みつけられながらも、必死でカヤを止める。
「ばかめ、勝手に条件出すんじゃねェよ」
ジャンゴが呆れたように言った。
「C(キャプテン)・クロには全員消せと言われてる!!!」
そう言うと、ピーマンを思いっきり蹴り飛ばした。
「うあ!」
「ピーマン君っ!!!」
地面に転がる海賊団たちを見て、カヤはジャンゴのチャクラムを握る手に力をこめた。
「言うとおりにしてくれないのなら・・・、私はあなたになんか殺されない!遺書も書きません!!!」
そう言うと、チャクラムの刃の部分を自分の喉元に近づける。
ジャンゴは慌てた。
「んなっ!ちょっ、ちょっと待て、早まるな!遺書だけは間違いなく書いてもらわなきゃ困るっ!!」
書く前に死なれたら、これまでの苦労が水の泡だ。
ジャンゴの決断は早かった。
「よし、ガキどもは見逃してやる!とはいっても逃げられる状態でもねェがな」
それを確認すると、カヤはゆっくりと遺書を書き始めた。
「・・・血判を忘れるな」
ジャンゴが一番大事なことを支持する。
海賊団の3人は、地面に転がったままそのやり取りを聞いていた。
「このまま寝てたらおれたち助かるな・・・」
「うん、カヤさんが助けてくれたんだ・・・!」
「キャプテンいつも言ってるよな。負けると思ったらしっぽまいて逃げろってさ」
3人の顔に悔しさがにじむ。
「・・・やっぱりキャプテンうそつきだ」
「自分は戦ってたじゃないか。あんなに血だらけで、ぼくたちまでかばって」
「カヤさんは死なせないぞ・・・!おれ達はウソップ海賊団だ!」
そうこうしているうちに、遺書が書きあがったようだ。
ジャンゴが内容を確かめる。
「─── ”執事クラハドールに私の全財産を譲る”・・・よし・・・、確かにお前の遺書だ。術をかける手間も省けた」
遺書を大事に懐にしまいこむと、ジャンゴは両手でチャクラムをくるくると回し始めた。
「じゃあ死んで貰おうか。てめェが生きてちゃ遺書もただの紙キレだ」
「あの子たちを殺さないと約束してくれるんでしょうね」
カヤの手が震えている。
しかし、彼女はもう覚悟を決めていた。
ジャンゴが笑って言う。
「ああ、安心しな。おれはこう見えても正直者で通ってんだ」
「いた!!!」
カヤと海賊団を追いかけていたウソップ・ゾロ組はようやく視界にみんなの姿を認めることが出来た。
「止まれ止まれ、いた。いた。いた!!!」
ウソップはゾロの胸をばしばし叩きながらそれを伝える。
ばしばしばしばしばしばし・・・。叩きすぎ。
「いてェいてェ!たたくな、そこ斬られてんだぞ!!!」
ゾロは思わず急停車。
「あそこだァ!」
ウソップの指差す方向には、ジャンゴとカヤの姿が。
「良かった!まだ生きてる!!!」
ウソップはほっと胸をなでおろす。
しかし、今にもジャンゴはカヤに斬り付けそうだ。
「でも大ピンチだ!ここで下ろ・・・」
言い終わる前にゾロに落とされた。
仕返し?
「よし行って来る」
ゾロが走る。
「そこまでだ、催眠術師っ!!!」
─── この距離で間に合うか!!?
「な!あいつ追って来やがったか!!」
林の向こうからこちらに向かって走ってくるゾロの姿が目に入ったジャンゴは、チャクラムをカヤに振りかざした。
「さっさと用を済ませたほうがよさそうだ」
カヤの首を掴む。
「うっ・・・!」
その時だった。
「そうはさせるかっ!!!」
「ハウッ!」
地面に転がっていたはずの海賊団たちが、スコップをジャンゴの尻にお見舞いしたのだ。
「ガキどもがァ!!」
「うわあああ!」
尻の痛みをこらえ、海賊団たちを一蹴するジャンゴ。
そして走ってくるゾロに向かって不適に笑った。
「はっはっは、一足遅かったな腹巻きぃ!」
しかしゾロは笑う。
「そうでもないぜ」
ゾロはそばの木の枝をスパッと斬りおとした。
「そう!その枝が邪魔だったんだ」
後方でウソップが笑う。
「何!?」
ジャンゴが戸惑う。
「ウソップさん・・・!」
カヤが驚く。
「キャプテーン!!!」
海賊団たちが期待を込めて叫ぶ。
「くらえ催眠術師!!」
ウソップがパチンコを構えた。
「くそっ!離れろ貴様っ!!!」
坂ではクロがルフィにしがみつかれていた。
腕にルフィの腕を巻きつけられ、胴もルフィの脚が絡みついている。
『杓死』を使おうにもルフィが邪魔で使えない。
ルフィが告げる。
「これでお前の3年の計画も完全に失敗だ」
「何だと!!?」
坂の下では海賊たちがクロとルフィの様子に驚いていた。
「あいつ・・・、C・クロをとらえた」
「もしかして、あいつが勝てばおれたち殺されずに済むんじゃねェのか・・・?」
「や・・・やっちまえゴム人間ーっ!!!」
「C・クロをブッ潰してくれェ!!!」
それを聞いたルフィはイラついたように、クロに頭突きをくらわせた。
「フン!!」
「ぐっ!!」
そして反動をつけて、首を坂の下の海賊達のほうへぐいいいっと伸ばす。
「お前らに応援される筋合いはねェ!!!お前らだって潰してやるから覚悟しろ!!!」
「ぎゃああああああ~っ!!!」
もう海賊たちは何も言えない。
ルフィは首を伸ばしたまま叫ぶ。
「ゴムゴムの・・・」
「ま・・・まさか・・・」
そのまさかが現実になろうとしていた。
「おれの計画は・・・」
クロが叫ぶ。
「おれの計画は絶対に狂わないっ!!!」
ウソップのパチンコがジャンゴに向け火を噴いた。
「必殺”火薬星”!!!!」
ルフィの首がクロに向かって猛スピードで戻ってくる。
「鐘っ!!!!」
坂の下では海賊たちが次々と斬られ、倒れていく。
目に見えない速さで襲い掛かる彼らの元船長によって。
それを睨みつけるルフィも、少しずつ斬られていく。
彼は叫んだ。
「出て来い執事いィイイ!!!!」
その時、彼の左後ろで何かが跳ね返る音がした。
そして。
「うっ!!!」
キャプテン・クロの刃はルフィの腹部を切り裂く。
しかし、ただ単にやられているだけではない。
ルフィはクロが離れる瞬間、彼の服の端を掴んだ。
「ああああ!」
ズダアン!!!
そしてそのまま地面に思いっきり叩きつけた。
「見つけたぞ」
ルフィはにっと笑った。
クロも不適に笑いながらゆっくりと起き上がる。
「このやろうが・・・、黙って斬られてりゃいいものを・・・!」
そして、坂の下を見下ろして言った。
「みろ、貴様のおかげで中途半端に死にきれねェかわいい部下どもが苦しんでる」
坂の下ではクロに襲われた海賊たちのうめき声が響く。
「畜生ォ・・・」
「もうやめてくれ」
「痛ェよォ!!!!」
ルフィはその様子を黙って見ていた。
それに気づいたクロが言う。
「・・・何か言いたげだな」
「うん」
ルフィはこぶしを固めて言った。
「お前みたいな海賊(おとこ)には絶対におれはならねェ」
クロはメガネのズレを直しながらせせら笑う。
「ならないんじゃねェ。なれねェんだ、てめぇごときにはな・・・。」
そして再び両腕をだらんと下に下ろした。
「─── もっとも、ここで死んじまうんだが・・・」
そしてゆっくりと身体を左右に揺らし始める。
『杓死』の構えだ。
「させるかっ!!!」
ルフィはクロに前から飛びつくと、腕と脚をクロに絡めた。
「やってみろ、足技」
「もうやめてください!遺書なら書きますから、その子達に手を出さないで!!!」
一方林では、カヤの叫び声が響いていた。
ウソップ海賊団たちも善戦したが、今立っているのはピーマンのみ。残りの2人は地面に倒れこんでいた。
「だ、だめだ!そんなもん書いたらカヤさん殺されちゃうぞ!」
ピーマンがジャンゴに顔を踏みつけられながらも、必死でカヤを止める。
「ばかめ、勝手に条件出すんじゃねェよ」
ジャンゴが呆れたように言った。
「C(キャプテン)・クロには全員消せと言われてる!!!」
そう言うと、ピーマンを思いっきり蹴り飛ばした。
「うあ!」
「ピーマン君っ!!!」
地面に転がる海賊団たちを見て、カヤはジャンゴのチャクラムを握る手に力をこめた。
「言うとおりにしてくれないのなら・・・、私はあなたになんか殺されない!遺書も書きません!!!」
そう言うと、チャクラムの刃の部分を自分の喉元に近づける。
ジャンゴは慌てた。
「んなっ!ちょっ、ちょっと待て、早まるな!遺書だけは間違いなく書いてもらわなきゃ困るっ!!」
書く前に死なれたら、これまでの苦労が水の泡だ。
ジャンゴの決断は早かった。
「よし、ガキどもは見逃してやる!とはいっても逃げられる状態でもねェがな」
それを確認すると、カヤはゆっくりと遺書を書き始めた。
「・・・血判を忘れるな」
ジャンゴが一番大事なことを支持する。
海賊団の3人は、地面に転がったままそのやり取りを聞いていた。
「このまま寝てたらおれたち助かるな・・・」
「うん、カヤさんが助けてくれたんだ・・・!」
「キャプテンいつも言ってるよな。負けると思ったらしっぽまいて逃げろってさ」
3人の顔に悔しさがにじむ。
「・・・やっぱりキャプテンうそつきだ」
「自分は戦ってたじゃないか。あんなに血だらけで、ぼくたちまでかばって」
「カヤさんは死なせないぞ・・・!おれ達はウソップ海賊団だ!」
そうこうしているうちに、遺書が書きあがったようだ。
ジャンゴが内容を確かめる。
「─── ”執事クラハドールに私の全財産を譲る”・・・よし・・・、確かにお前の遺書だ。術をかける手間も省けた」
遺書を大事に懐にしまいこむと、ジャンゴは両手でチャクラムをくるくると回し始めた。
「じゃあ死んで貰おうか。てめェが生きてちゃ遺書もただの紙キレだ」
「あの子たちを殺さないと約束してくれるんでしょうね」
カヤの手が震えている。
しかし、彼女はもう覚悟を決めていた。
ジャンゴが笑って言う。
「ああ、安心しな。おれはこう見えても正直者で通ってんだ」
「いた!!!」
カヤと海賊団を追いかけていたウソップ・ゾロ組はようやく視界にみんなの姿を認めることが出来た。
「止まれ止まれ、いた。いた。いた!!!」
ウソップはゾロの胸をばしばし叩きながらそれを伝える。
ばしばしばしばしばしばし・・・。叩きすぎ。
「いてェいてェ!たたくな、そこ斬られてんだぞ!!!」
ゾロは思わず急停車。
「あそこだァ!」
ウソップの指差す方向には、ジャンゴとカヤの姿が。
「良かった!まだ生きてる!!!」
ウソップはほっと胸をなでおろす。
しかし、今にもジャンゴはカヤに斬り付けそうだ。
「でも大ピンチだ!ここで下ろ・・・」
言い終わる前にゾロに落とされた。
仕返し?
「よし行って来る」
ゾロが走る。
「そこまでだ、催眠術師っ!!!」
─── この距離で間に合うか!!?
「な!あいつ追って来やがったか!!」
林の向こうからこちらに向かって走ってくるゾロの姿が目に入ったジャンゴは、チャクラムをカヤに振りかざした。
「さっさと用を済ませたほうがよさそうだ」
カヤの首を掴む。
「うっ・・・!」
その時だった。
「そうはさせるかっ!!!」
「ハウッ!」
地面に転がっていたはずの海賊団たちが、スコップをジャンゴの尻にお見舞いしたのだ。
「ガキどもがァ!!」
「うわあああ!」
尻の痛みをこらえ、海賊団たちを一蹴するジャンゴ。
そして走ってくるゾロに向かって不適に笑った。
「はっはっは、一足遅かったな腹巻きぃ!」
しかしゾロは笑う。
「そうでもないぜ」
ゾロはそばの木の枝をスパッと斬りおとした。
「そう!その枝が邪魔だったんだ」
後方でウソップが笑う。
「何!?」
ジャンゴが戸惑う。
「ウソップさん・・・!」
カヤが驚く。
「キャプテーン!!!」
海賊団たちが期待を込めて叫ぶ。
「くらえ催眠術師!!」
ウソップがパチンコを構えた。
「くそっ!離れろ貴様っ!!!」
坂ではクロがルフィにしがみつかれていた。
腕にルフィの腕を巻きつけられ、胴もルフィの脚が絡みついている。
『杓死』を使おうにもルフィが邪魔で使えない。
ルフィが告げる。
「これでお前の3年の計画も完全に失敗だ」
「何だと!!?」
坂の下では海賊たちがクロとルフィの様子に驚いていた。
「あいつ・・・、C・クロをとらえた」
「もしかして、あいつが勝てばおれたち殺されずに済むんじゃねェのか・・・?」
「や・・・やっちまえゴム人間ーっ!!!」
「C・クロをブッ潰してくれェ!!!」
それを聞いたルフィはイラついたように、クロに頭突きをくらわせた。
「フン!!」
「ぐっ!!」
そして反動をつけて、首を坂の下の海賊達のほうへぐいいいっと伸ばす。
「お前らに応援される筋合いはねェ!!!お前らだって潰してやるから覚悟しろ!!!」
「ぎゃああああああ~っ!!!」
もう海賊たちは何も言えない。
ルフィは首を伸ばしたまま叫ぶ。
「ゴムゴムの・・・」
「ま・・・まさか・・・」
そのまさかが現実になろうとしていた。
「おれの計画は・・・」
クロが叫ぶ。
「おれの計画は絶対に狂わないっ!!!」
ウソップのパチンコがジャンゴに向け火を噴いた。
「必殺”火薬星”!!!!」
ルフィの首がクロに向かって猛スピードで戻ってくる。
「鐘っ!!!!」
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