第35話 ネオ坂道
海賊たちがどよめく。
「何だ今の!!?」
「こいつ、こんな位置から・・・!!」
「C(キャプテン)・クロをぶっ飛ばしたっ・・・!!?」
坂の上では、ルフィの一撃をくらったクロが大の字で倒れている。
しかし、のびているわけではない。視線は坂の下に向いていた。
海賊たちが怯える。
「完全にC・クロを怒らせちまった・・・!!」
「おれ達ァ、一体どうなっちまうんだよ・・・!」
その時、声が響いた。
「今だァあああーっ!!!」
「えっ」
「あっ!!!」
カヤとウソップは目を疑う。
どこに隠れていたのか、にんじんとピーマン、たまねぎの3人がクロに突っ込んで行った。
「ウソップ海賊団、参上っ!!!」
「覚悟しろ、このやろう羊っ!!!」
「羊、このやろおーっ!!!」
3人は手にしたスコップやバット、フライパンでクロに襲い掛かる。
「お前ら、どうして・・・!!!」
「あなたたち、来ちゃダメだって・・!」
ウソップとカヤの声も聞こえちゃいない。
3人は力の限りクロを殴りつけた。
「せえばいだ、せえばい!!!」
「村の平和をみだす海賊め!!!」
「くたばれ、ちきしょう!!!」
海賊たちがうろたえる。
「うわああ、あのガキども何て事をォ!!!」
「・・・・・!!!」
ジャンゴは声も出ない。
ウソップが慌てて怒鳴りつけた。
「もうよせお前ら!やめろ!」
「何のつもりだ、あのチビ達」
ゾロもその様子を見て呆れていた。
「よし!このへんでかんべんしてやろう・・・」
気の済むまで殴りつけた3人はようやくクロから離れた。
クロはさっきと同じ体勢のまま、動かない。
3人はウソップに口々に言った。
「・・・やっぱりだ!キャプテンは戦ってた!」
「何で言ってくれなかったんですか。汗くさいじゃないですかっ!」
「違うよ!水くさいじゃないですか!」
ウソップが怒鳴る。
「何くさくてもいいっ!とにかくお前らこっから離れろ!逃げるんだ!」
しかし3人は言い張った。
「いやです、キャプテン!」
「そうだ!おれ達だって戦います!!」
「逃げるなんてウソップ海賊団の名おれです!」
その時、3人の背後でクロが静かに立ち上がった。
メガネのズレを直すと、レンズが割れてパラパラと落ちる。
その無言の迫力に、3人は腰を抜かした。
「ううわああーっ!!!」
「馬鹿野郎、早く逃げろ!」
ウソップが叫ぶ。
しかし、クロは何も言わず3人の横を通り過ぎる。
「え・・・」
「な・・・、何だ?知らんぷりか・・・?」
クロはウソップの前まで来ると、黙ったまま彼を思いっきり蹴りつけた。
「う!!」
「キャプテン!!」
3人が叫ぶ。
クロが坂の下に目をやり、ようやく声を出した。
「少々効いた・・・。ずいぶん奇っ怪な技を使うもんだ。・・・貴様、”悪魔の実”の能力者だな・・・!」
ルフィがにっと笑う。
「そうだ”ゴムゴムの実”を食った!ゴム人間だ!!」
海賊たちがどよめいた。
「何ィ!!?悪魔の実ィ!!?」
「やべェじゃねェか、本当にあんのかそんなもん!!」
「やっぱ変だと思ったぜ。あいつ変だよなァ!!?」
ジャンゴはそれを聞いて納得する部分があったようだ。
て言うか、”変”に反応しすぎ。
「─── 成程ゴム人間か。腕が伸びて見えたのはどうやら錯覚じゃなかったらしい。だが、おれのチャクラムをくらって立ってられるのはどういう理屈だ!?」
・・・き、気合かなあ?
クロが大声を上げる。
「ジャンゴ!!!」
「お・・・おう!」
「その小僧はおれが殺る。お前にはカヤお嬢様を任せる。計画通り遺書を書かせて・・・殺せ」
カヤが青ざめる。
そしてクロは振り返って続けた。
「それに・・・アリを3匹。目障りだ」
「引き受けた」
ジャンゴが静かに了解した。
しかしそれを遮る男が坂の途中にいた。
「止まれ」
ゾロは刀をかざす。
「こっから先は通す訳にはいかねェことになってんだが」
「ブゥーチ!!!」
「ヌッフーン!!」
叫ぶジャンゴにブチが答える。
今だ催眠がかかったままのブチは、ゾロに突っ込んで行った。
「シャアアーッ!」
「キャット・ザ・・・」
飛び上がるブチをゾロは見上げた。
「まずい、あれかっ!!」
「フンジャッタ!!!!」
ボコオン!!
ゾロは間一髪避けたが、ブチが踏みつけたところから地面にひびが入っていく。
「うあっ」
ウソップが地面の割れ目に足を取られる。
3人組が目の前の出来事に恐れをなして叫ぶ。
「地面が割れたあ~~~~~っ!」
「くそっ!さっきと桁違いだ!!!」
ゾロはその威力に少し怯んだ。
その間にもどんどんひび割れは進んで行き、坂の横の崖の一部が崩れていく。
「ぎゃああああ~~~~~っ!!!」
海賊たちが大慌てで非難する。
クロはそれを見つめ、吐き捨てるように言った。
「加減知らずが・・・」
坂の下ではルフィが感嘆の声を上げる。
「すーげーっ!なんだあいつっ!!」
そうこうしている間に、ブチがカギヅメをゾロに向け襲い掛かっていく。
「シャアーッ」
ズドォォン!!
もう一方の崖の壁面に、ゾロは叩きつけられた。
・・・ように見えたが、ここも間一髪で刀で圧しとどめていた。
「てめェはおれに一度敗けてんだろうが・・・。邪魔を、するなっ!!!」
ゾロは力任せにブチを跳ね返した。
ウソップは必死で身体を起こしていた。
クロに蹴られたダメージで、立ち上がる事ができない。
─── 畜生ォ・・・!頭がフラフラで立ち上がれねェ・・・!あいつを止めなきゃいけねェのに・・・!
ジャンゴはスタスタと坂道を登る。
ゾロがブチの相手をしている為、彼を止めるものはいない。
ウソップは叫んだ。
「ウソップ海賊団っ!!!」
「はいっ、キャプテン!!」
3人は思わず整列する。
しかし、彼らにはウソップの言動の予想がついていた。
3人は怖いのを隠して、指示が下る前に訴える。
「い・・・言っときますけど・・・、おれ達は逃げませんよ!」
「キャプテンをそんな目にあわされて、逃げられるもんか!」
「キャプテンの敵を取るんです!」
しかし、ウソップは言った。
「カヤを守れ」
3人は黙り込んだ。
「!」
「・・・ウソップさん・・・」
カヤも驚く。
ウソップは静かに続けた。
「最も重要な仕事をお前たちに任せる!カヤを連れてここを無事に離れろ!!!」
「できないとは言わせないぞ!これはキャプテン命令だ!!!」
3人が返事する。
「は・・・!はい、キャプテン!!!」
それを聞いていたゾロは感心していた。
─── 上手いこと口が回るもんだな。結局、逃げろってことじゃねェのか。
カヤに駆け寄る3人に、ジャンゴがつぶやいた。
「バカが・・・、おれから逃げられるわけがねェだろ」
チャクラムを2つ取り出す。
それを知らない3人はカヤの手を引いて林の中に向かう。
「カヤさん、急いでっ!」
「林に入れば、僕らの庭みたいなもんだ!」
「ええ・・・」
カヤはウソップを振り返りながら走り始める。
自分がここにいれば彼の足手まといになる。でも、心配で仕方がないのだ。
「逃がすか!」
チャクラムを回すジャンゴに、ウソップが叫んだ。
「必殺”鉛星”っ!!!」
倒れこんだ体勢のまま、パチンコから鉛玉を放つ。
ジャンゴはそれをモロに背中にくらい、前のめりに倒れこんだ。
「へへへっ、ザマァ見ろ」
ウソップはにやりと笑う。
パチンコなら、外さない。
「こ!・・・こんの野郎めェ・・・!」
怒り狂ったジャンゴがウソップに迫る。
しかしクロが怒鳴った。
「ジャンゴ!さっさと追わねェか!」
「わ・・・わかってる!」
その声に我に返ったジャンゴは慌てて3人とカヤの後を追って林の中に入って行った。
クロが冷たく言い放つ。
「無駄なことだ、カヤの体の弱さはおれが一番よく知ってる・・・。ジャンゴからは逃げられん!!加勢に行きたきゃ行けばいい。ただし・・・、この坂道を生きて通ることができたらな!」
坂の上ではクロとブチが凄む。
「・・・くそ、これじゃ立場が逆転だ・・・!」
悔しがるウソップに、ルフィとゾロが不敵に言った。
「任せとけ」
「何だ今の!!?」
「こいつ、こんな位置から・・・!!」
「C(キャプテン)・クロをぶっ飛ばしたっ・・・!!?」
坂の上では、ルフィの一撃をくらったクロが大の字で倒れている。
しかし、のびているわけではない。視線は坂の下に向いていた。
海賊たちが怯える。
「完全にC・クロを怒らせちまった・・・!!」
「おれ達ァ、一体どうなっちまうんだよ・・・!」
その時、声が響いた。
「今だァあああーっ!!!」
「えっ」
「あっ!!!」
カヤとウソップは目を疑う。
どこに隠れていたのか、にんじんとピーマン、たまねぎの3人がクロに突っ込んで行った。
「ウソップ海賊団、参上っ!!!」
「覚悟しろ、このやろう羊っ!!!」
「羊、このやろおーっ!!!」
3人は手にしたスコップやバット、フライパンでクロに襲い掛かる。
「お前ら、どうして・・・!!!」
「あなたたち、来ちゃダメだって・・!」
ウソップとカヤの声も聞こえちゃいない。
3人は力の限りクロを殴りつけた。
「せえばいだ、せえばい!!!」
「村の平和をみだす海賊め!!!」
「くたばれ、ちきしょう!!!」
海賊たちがうろたえる。
「うわああ、あのガキども何て事をォ!!!」
「・・・・・!!!」
ジャンゴは声も出ない。
ウソップが慌てて怒鳴りつけた。
「もうよせお前ら!やめろ!」
「何のつもりだ、あのチビ達」
ゾロもその様子を見て呆れていた。
「よし!このへんでかんべんしてやろう・・・」
気の済むまで殴りつけた3人はようやくクロから離れた。
クロはさっきと同じ体勢のまま、動かない。
3人はウソップに口々に言った。
「・・・やっぱりだ!キャプテンは戦ってた!」
「何で言ってくれなかったんですか。汗くさいじゃないですかっ!」
「違うよ!水くさいじゃないですか!」
ウソップが怒鳴る。
「何くさくてもいいっ!とにかくお前らこっから離れろ!逃げるんだ!」
しかし3人は言い張った。
「いやです、キャプテン!」
「そうだ!おれ達だって戦います!!」
「逃げるなんてウソップ海賊団の名おれです!」
その時、3人の背後でクロが静かに立ち上がった。
メガネのズレを直すと、レンズが割れてパラパラと落ちる。
その無言の迫力に、3人は腰を抜かした。
「ううわああーっ!!!」
「馬鹿野郎、早く逃げろ!」
ウソップが叫ぶ。
しかし、クロは何も言わず3人の横を通り過ぎる。
「え・・・」
「な・・・、何だ?知らんぷりか・・・?」
クロはウソップの前まで来ると、黙ったまま彼を思いっきり蹴りつけた。
「う!!」
「キャプテン!!」
3人が叫ぶ。
クロが坂の下に目をやり、ようやく声を出した。
「少々効いた・・・。ずいぶん奇っ怪な技を使うもんだ。・・・貴様、”悪魔の実”の能力者だな・・・!」
ルフィがにっと笑う。
「そうだ”ゴムゴムの実”を食った!ゴム人間だ!!」
海賊たちがどよめいた。
「何ィ!!?悪魔の実ィ!!?」
「やべェじゃねェか、本当にあんのかそんなもん!!」
「やっぱ変だと思ったぜ。あいつ変だよなァ!!?」
ジャンゴはそれを聞いて納得する部分があったようだ。
て言うか、”変”に反応しすぎ。
「─── 成程ゴム人間か。腕が伸びて見えたのはどうやら錯覚じゃなかったらしい。だが、おれのチャクラムをくらって立ってられるのはどういう理屈だ!?」
・・・き、気合かなあ?
クロが大声を上げる。
「ジャンゴ!!!」
「お・・・おう!」
「その小僧はおれが殺る。お前にはカヤお嬢様を任せる。計画通り遺書を書かせて・・・殺せ」
カヤが青ざめる。
そしてクロは振り返って続けた。
「それに・・・アリを3匹。目障りだ」
「引き受けた」
ジャンゴが静かに了解した。
しかしそれを遮る男が坂の途中にいた。
「止まれ」
ゾロは刀をかざす。
「こっから先は通す訳にはいかねェことになってんだが」
「ブゥーチ!!!」
「ヌッフーン!!」
叫ぶジャンゴにブチが答える。
今だ催眠がかかったままのブチは、ゾロに突っ込んで行った。
「シャアアーッ!」
「キャット・ザ・・・」
飛び上がるブチをゾロは見上げた。
「まずい、あれかっ!!」
「フンジャッタ!!!!」
ボコオン!!
ゾロは間一髪避けたが、ブチが踏みつけたところから地面にひびが入っていく。
「うあっ」
ウソップが地面の割れ目に足を取られる。
3人組が目の前の出来事に恐れをなして叫ぶ。
「地面が割れたあ~~~~~っ!」
「くそっ!さっきと桁違いだ!!!」
ゾロはその威力に少し怯んだ。
その間にもどんどんひび割れは進んで行き、坂の横の崖の一部が崩れていく。
「ぎゃああああ~~~~~っ!!!」
海賊たちが大慌てで非難する。
クロはそれを見つめ、吐き捨てるように言った。
「加減知らずが・・・」
坂の下ではルフィが感嘆の声を上げる。
「すーげーっ!なんだあいつっ!!」
そうこうしている間に、ブチがカギヅメをゾロに向け襲い掛かっていく。
「シャアーッ」
ズドォォン!!
もう一方の崖の壁面に、ゾロは叩きつけられた。
・・・ように見えたが、ここも間一髪で刀で圧しとどめていた。
「てめェはおれに一度敗けてんだろうが・・・。邪魔を、するなっ!!!」
ゾロは力任せにブチを跳ね返した。
ウソップは必死で身体を起こしていた。
クロに蹴られたダメージで、立ち上がる事ができない。
─── 畜生ォ・・・!頭がフラフラで立ち上がれねェ・・・!あいつを止めなきゃいけねェのに・・・!
ジャンゴはスタスタと坂道を登る。
ゾロがブチの相手をしている為、彼を止めるものはいない。
ウソップは叫んだ。
「ウソップ海賊団っ!!!」
「はいっ、キャプテン!!」
3人は思わず整列する。
しかし、彼らにはウソップの言動の予想がついていた。
3人は怖いのを隠して、指示が下る前に訴える。
「い・・・言っときますけど・・・、おれ達は逃げませんよ!」
「キャプテンをそんな目にあわされて、逃げられるもんか!」
「キャプテンの敵を取るんです!」
しかし、ウソップは言った。
「カヤを守れ」
3人は黙り込んだ。
「!」
「・・・ウソップさん・・・」
カヤも驚く。
ウソップは静かに続けた。
「最も重要な仕事をお前たちに任せる!カヤを連れてここを無事に離れろ!!!」
「できないとは言わせないぞ!これはキャプテン命令だ!!!」
3人が返事する。
「は・・・!はい、キャプテン!!!」
それを聞いていたゾロは感心していた。
─── 上手いこと口が回るもんだな。結局、逃げろってことじゃねェのか。
カヤに駆け寄る3人に、ジャンゴがつぶやいた。
「バカが・・・、おれから逃げられるわけがねェだろ」
チャクラムを2つ取り出す。
それを知らない3人はカヤの手を引いて林の中に向かう。
「カヤさん、急いでっ!」
「林に入れば、僕らの庭みたいなもんだ!」
「ええ・・・」
カヤはウソップを振り返りながら走り始める。
自分がここにいれば彼の足手まといになる。でも、心配で仕方がないのだ。
「逃がすか!」
チャクラムを回すジャンゴに、ウソップが叫んだ。
「必殺”鉛星”っ!!!」
倒れこんだ体勢のまま、パチンコから鉛玉を放つ。
ジャンゴはそれをモロに背中にくらい、前のめりに倒れこんだ。
「へへへっ、ザマァ見ろ」
ウソップはにやりと笑う。
パチンコなら、外さない。
「こ!・・・こんの野郎めェ・・・!」
怒り狂ったジャンゴがウソップに迫る。
しかしクロが怒鳴った。
「ジャンゴ!さっさと追わねェか!」
「わ・・・わかってる!」
その声に我に返ったジャンゴは慌てて3人とカヤの後を追って林の中に入って行った。
クロが冷たく言い放つ。
「無駄なことだ、カヤの体の弱さはおれが一番よく知ってる・・・。ジャンゴからは逃げられん!!加勢に行きたきゃ行けばいい。ただし・・・、この坂道を生きて通ることができたらな!」
坂の上ではクロとブチが凄む。
「・・・くそ、これじゃ立場が逆転だ・・・!」
悔しがるウソップに、ルフィとゾロが不敵に言った。
「任せとけ」
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