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第16話 VERSUS!!バギー海賊団

ルフィ・ゾロ・ナミの3人の目の前には、もうもうと土煙をたてる瓦礫の山があった。
酒場があったはずなのに。
瓦礫にまぎれて、バギーの手下たちも多数倒れていた。
原因は、ルフィが弾いた”バギー玉”。

「─── 説明してよ!だいたいおかしいと思ったわ、ライオンと戦ってきた時からね。人間業じゃないもの、何よ、今の風船みたいにふくれたの!!」

ナミがルフィを問い詰めていた。
どう考えても、普通の人間じゃありえない。

「ゴムゴムの風船だ!!」
ルフィが自慢げに言う。

「それが何かって聞いてんのよ!!」
バケモノ!とナミが怒る。

その時、瓦礫の山からガラガラと音がした。
ルフィとゾロの表情が変わる。

「─── よくもまァ、派手にやってくれたもんだ・・・」

瓦礫の山から立ち上がったのは、バギーとカバジだった。
2人共、バギーは手下2人を、カバジはモージの愛ライオンのリッチーを盾にしていた。

「旗揚げ以来、最大の屈辱ですね船長」
「おれァアもう、怒りでものも言えねェよ・・・」

その後ろで、もう一人瓦礫の山から起き上がってきた者がいた。

「くそ・・・、気を失ってたか・・・。何だ、この有様は・・・!」
「モージ・・・、生きてたのか・・・」

カバジが気づいて振り向く。
モージはカバジが盾にしている物に気づいた。

「!?おいカバジ・・・、てめェリッチーに何してる!」
「・・・ああ、この猫か。おれの服が汚れるといけないんで、盾に使わせてもらっただけだ」

そう言って、カバジはリッチーを放り投げる。
モージは慌ててリッチーに駆け寄った。

「おい、リッチー、無事か!?」
リッチーはかなりのダメージだったようで、苦しそうに喘ぐ。
しかし、カバジの一睨みで怯えたように慌てて物影に隠れた。

「このスカシ野郎がァ!!」
モージがカバジを睨む。

そして、前方を見やるとあの男が!

「げっ、麦わらの男!バギー船長、あいつにはお気をつけを!奴も”悪魔の実”の能力者なんです!!”ゴム人間”なんです!!!」

モージの言葉を聞いて、ナミが驚いた。

「ゴム人間!?」
「うん、ほら」

ルフィはほっぺたをみょーんと伸ばしてみせた。

「・・・悪魔の実を・・・!!!」

モージの言葉に、バギーの顔色が変わった。

「バギー玉も跳ね返すわけだ」

そして、モージをバラバラの右手でがしっと掴む。

「しかしモージ、知ってたんなら・・・なんでそれを早く言わねェんだ!!!」
「一応言いました!!!」

確かにモージは頑張ってた。
が、そんなことには気づいていないバギーは、問答無用でモージを投げ飛ばす。
飛ばされたその先には、ルフィたち3人がいた。

「ぎゃああああ、そこどけぇ!!!」

ルフィはにっと笑って言った。

「お前がどけっ」

飛んでくるモージにタイミングを合わせると、思いっきり顔面を蹴り飛ばした。

「開戦だ!!!」





「バギー一味参謀長”曲芸のカバジ”!一味の怒りこの私が請け負う!!」

一輪車にまたがったカバジが、剣を構え、猛然とルフィに突っ込む。
振り下ろされた剣を受け止めたのは、ゾロの刀だった。
ゾロが相手を見据える。

「剣の相手なら、おれがする!」
「光栄だねェ、ロロノア・ゾロ・・・。一人の剣士として貴様を斬れるとは」

しかし、ルフィは気づいた。
ゾロのわき腹から、血が滲み出している。

「おいゾロ、やっぱり休んでろよ。おれがやるから」

その言葉を聞いたカバジは、すぐに悟った。

─── 船長に刺された傷だな・・!よくも顔色一つ変えずに立っていられるものだ。バカが・・・。

カバジはほくそ笑むと、
「曲技っ、”火事おやじ”!!」

そう叫んで、口からゾロの顔をめがけて火を吹いた。

「うわっ!!」

ゾロは思わずのけぞる。
その隙に、カバジはゾロの傷口めがけて思いっきり蹴り飛ばした。

「ぐああああっ!!!」
ゾロはもんどりうって倒れる。

「くそっ!!」
「なんだ、そんなに強く蹴ったつもりはないが?」

くくっと笑うカバジ。

「汚い奴っ!!あいつ傷口を狙って・・・!!」
ナミがカバジを睨んだ。

さらにカバジがゾロに襲い掛かる。

「曲技っ!!”湯けむり殺人事件”っ!!」

カバジは剣を地面に突き立てると、縦に回転させ土埃を上げた。

「何が曲技だっ・・・!!ただの土埃じゃねェか!!」

ゾロは息を荒げながら、その土埃を見つめる。
と、その中から突然カバジが剣を振り下ろしてきた。

「!」
受けるので精一杯のゾロ。

「くくっ」
「な・・・」

ドボッ!!

両手をふさがれたゾロは、またしてもわき腹に蹴りを食らった。

「うああああああっ!!」
激痛に悲鳴を上げるゾロ。

「どうした?大の男が大声でわめいてみっともないぞ・・・」

地面に転がるゾロに、カバジはにやりと笑った。

「貴様の相棒の妙な能力のおかげで、こっちはとんだ災難だ。いくら”海賊狩り”だとて、我々バギー一味を敵にしたことは失敗だったな」

それでもゾロは必死で立ち上がろうとあがいている。
ナミはもう、見ていられなかった。

「あんな深手で戦うなんてもともと無茶なのよ!!あんた何黙って見てんの?あいつ、殺されちゃうわ!!」

しかしルフィは黙って戦況を見つめていた。

「ロロノア・ゾロ!討ち取った!!!」
カバジが止めとばかりに襲い掛かる。

ガキン!!

それをゾロは、渾身の力を込めてなぎ倒した。

「え・・・」
「おお!!」

ナミの顔に驚きの表情が、ルフィの顔には待ち兼ねたとばかりの期待の表情が浮かんだ。

「・・・うっとうしい野郎だぜ。おれの傷をつつくのが、そんなに楽しいか!!」

そう言うと、ゾロは持っている刀を自分に向け・・、

ザクッ!!

わき腹の傷にさらに斬りつけた。

「な!自分で!!」
カバジは目を疑った。

「いてェっ!!」
ルフィも顔をしかめる。

ナミは声も出なかった。

「フゥ───ッ!!!」
ゾロは痛みをこらえるように、大きく息をつく。

「てめェ、一体何を・・・」

驚愕するカバジに、ゾロは静かに言った。

「おれの剣が目指すのは、世界一・・・。ハンディはこれくらいで満足か?おれとお前の格の違いを教えてやるよ」

不敵な様子で、ゆっくりと3本目の刀を口に咥える。

「うぉーっ、かっこいいーっ」
「・・・これがロロノア・ゾロか・・・。ナメやがって・・・!!!」

羨望の声を上げる、ルフィ。
それとは逆に、ゾロのあまりの迫力にカバジは少しひるんだようだった。
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