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第6話 1人目

「やったァ!!仲間になってくれんのかよ!!」

ゾロの言葉に、”やっほー”とルフィが喜ぶ。
念願の、仲間だ。

「わかったらさっさとこの縄を解け!!」

ゾロが急かす。
海兵たちはその様子を遠巻きに見ながら、つい今しがた起こった事をまだ信じられないでいた。

「あいつ・・・、何だ・・・!!」
「銃弾を弾き返しやがった・・・!!!」

モーガンが警戒した様子で言う。

「ありゃ、ただの人間じゃねぇぞ・・、あのガキ・・・!!!噂に聞く、あの『悪魔の実シリーズ』の何かを食いやがったに違いねェ」
「・・・あの海の秘宝を!!?」
「まさか・・・、じゃあ今の能力は悪魔の・・・!!」

海兵たちがモーガンの言葉にどよめいた。
そうこうしている内に、ルフィがゾロの縄に手をかける。

「大佐、あいつゾロの縄を!!!」
「解かせるな!!!銃が駄目なら斬り殺せ!!!」
「お・・・うおおおおお」

海兵たちが刀を抜き、ルフィたちのもとに突っ込む。
が、しかし、当のルフィは縄をほどくのに苦労していた。

「くっそー、かてェなァ、この結び目・・・」
「おい!!グズグズするな!!」

ゾロが焦る。

「まァ待てよ、うるせーな」
「待ってられる状況じゃねェだろっ!!」

その時、気絶していたコビーが目を覚ました。

「・・んん・・・、は・・・気を失ってたのか・・・、一体・・・」

見ると目の前のルフィたちに抜刀した海兵たちが迫っていた。

「うわっ、え!!?ル・・・ルフィさん、ゾロさん危ないっ!!!」

そんなコビーの叫びが聞こえてないのか、ルフィはのんびり言った。

「お!解けたよ。片方の手っ!」

嬉しそうに解けた縄をゾロに見せる。

「バカ野郎、刀をよこせ!!」

迫る海兵たち。
モーガンが叫ぶ。

「おれに逆らう奴ァ、全員死刑だァ!!!」

コビーは叫ぼうにも声が出ない。
その時だった。

ガキン!!!

海兵たち全ての攻撃が阻まれた。
ゾロの両手、そして口に咥えられた刀、三刀流の刀によって。
魔獣がようやく開放されたのである。





「ロ・・・ロロノア・ゾロ・・・!!!」

驚愕するモーガン。

「お───っ、かっこいいっ!!」

初めて見るゾロの剣に、ルフィはしびれた。

「てめェら、じっとしてろ。動くと斬るぜ」

「ひい・・・・・!!!」

その迫力に、海兵たちはただ怯えるばかりだった。
ゾロは海兵たちを抑えながら言った。

「海賊にはなってやるよ・・・。約束だ。海軍と一戦やるからには、おれもはれて悪党ってわけだ・・・。だが、いいか!!おれには野望がある!!!」

ゾロの目が光った。

「世界一の剣豪になる事だ!!!!こうなったらもう、名前の淨不浄も言ってられねェ!!悪名だろうが何だろうが、おれの名を世界中に轟かせてやる!!!誘ったのはてめェだ!!野望を断念する様な事があったら、その時は腹切っておれにわびろ!!!」

ゾロの言葉に、ルフィは笑って言った。

「いいねえ、世界一の剣豪!!海賊王の仲間なら、そのくらいなって貰わないとおれが困る!!!」
「ケッ、言うね」

モーガンが海兵たちに吼える。

「何ボサッとしてやがる!!!とっととそいつらを始末しろ!!!」
「しゃがめ、ゾロ!!」

ルフィが足に反動をつける。

「ゴムゴムの・・・」

「鞭!!!!」
ズバァン!!!

伸びた足が鞭のようにしなり、ゾロが抑えていた海兵たちを全てなぎ倒した。

「や・・・やった!!すごいっ!!!」

コビーが両手を握り締めた。

「てめェは一体・・・!!」

ゾロは目の前の光景に目を疑う。

「おれはゴム人間だ!!!」

ルフィがにやっと笑った。

「ゴ・・・ゴ・・・ゴム人間!!?」
「た・・・大佐!!あいつら・・・!!我々の手にはおえません!!」
「ムチャクチャだ!!あんな奴ら・・・!!」
「それに・・・、ロロノア・ゾロと戦えるわけがない・・・!!」

海兵たちは、2人にすっかり戦意喪失していた。
そんな海兵たちに、モーガンは冷たく言い放った。

「大佐命令だ。今・・・、弱音を吐いた奴ァ・・・頭撃って自害しろ。このおれの部下に、弱卒は要らん!!!命令だ!!!」
「・・・・・!!」

その言葉に怯えた海兵たちは、静かに銃口を自分自身に向けた。
その光景に驚くルフィたち。

「どうかしてるぜ、この軍隊は・・・!!!」

ゾロが飛び出すより先に、ルフィが突っ走って行く。

「おれは海軍の敵だぞ。死刑にしてみろ!!!」

モーガンめがけて、パンチを繰り出した。
その様子を見て、海兵たちは銃を下ろしていく。
ゾロは咥えていた刀を下ろした。
コビーが叫ぶ。

「ルフィさん!!!こんな海軍つぶしちゃえェ!!!」

海軍に憧れていたコビーが、この島の、モーガンに支配されるだけの海軍に見切りをつけた瞬間だった。

「身分も低い、称号もねェ奴らは・・・!!このおれに逆らう権利すらないことを覚えておけ。おれは海軍大佐、斧手のモーガンだ!!!」
「おれはルフィ!よろしくっ」

・・・自己紹介ではない。
そんな事言ってる間に、モーガンの斧がルフィを襲う。

「死ね!」

それを跳びあがってかわすルフィ。
モーガンの斧は、その横の鉄柵を真っ二つに切り落とした。

「んな!!なんて切れ味だっ!!!」

コビーが驚愕する。
しかし、斧をかわしたルフィは反動をつけて、両足でモーガンの顔を蹴りつける。
モーガンは耐え切れず吹っ飛んだ。

「た・・・大佐が!」

海兵たちは目の前の光景に驚いていた。
この島を支配している海軍大佐斧手のモーガンが、麦わら帽子をかぶった少年に吹っ飛ばされている。

「小僧・・・」

モーガンが起き上がり、飛び掛ってくるルフィに斧を構える。

「死刑だ!!!」

振り下ろされた斧を、ひらっと身をかわして避けたルフィは、回転を加えモーガンの左側頭部に蹴りを入れた。
また吹っ飛ぶモーガン。

「つ・・・、強すぎる・・・!!」
「モ・・・、モーガン大佐が一方的に・・・!!」

コビーも海兵たちも、ただただ驚くしかなかった。





「何が海軍だ」

ルフィが地面に横たわるモーガンの胸倉を掴んで言った。

「コビーの夢をブチ壊しやがって・・・」

こぶしを固める。

「待てェ!!!」

その時、声がした。
しかしルフィはそんな声にかまわず、モーガンを殴る。

「待てっつったろ、アホか、このォ!!!」

ヘルメッポだった。
ルフィに引きずり回され、盾にされて気絶していたのが、ようやく気がついたらしい。

「こいつの命が惜しけりゃ動くんじゃねェ!!!ちょっとでも動いたら撃つぞ!!!」

ヘルメッポは手にした銃を、コビーに向けていた。

「ルフィさん!!」

コビーが叫んだ。

「ぼくは!!ルフィさんの邪魔をしたくありません!!死んでも!!!」

その言葉に、ルフィはにっこりと笑った。

「ああ・・、知ってるよ」

そして狙いをヘルメッポに定める。

「諦めろバカ息子、コビーの覚悟は本物だぞ!!」
「おいてめェ!!動くなっつったろ!!撃つぞ!!よし撃つ!!!」
「─── ルフィさん、後ろ!!!」

モーガンがルフィの後ろから斧を構えて迫っていた。

「おれは海軍大佐だ!!!」

それに気づいていないのか、ルフィはヘルメッポから目を離さない。

「ゴムゴムの・・・」

その様子を見て、ゾロは刀を口に咥えた。

「!?親父、早くそいつを・・・」

「銃(ピストル)!!!」

伸びるパンチがヘルメッポに炸裂する。
ルフィの背後のモーガンは・・・。

「ナイス」

ルフィがにやりと笑う。

「ゾロ」

モーガンがゆっくりと地面に倒れる。
ゾロが斬り倒していたのだ。

「お安い御用だ、船長」

同じように、ゾロも笑った。
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